「お前から何か言えよー」と照れ笑いしながら大嶺翔太選手に声をかけた八重山商工高校の伊志嶺吉盛監督。グラウンドに報告に来た大嶺選手と監督の間にできた微妙な距離と沈黙は、すぐに笑いに変わった。照れくさそうな伊志嶺監督。「おめでとう。これからだからな、野球が職業になるんだから」と言って交わした握手が、気持ちを伝え合っているような気がした。「アニキには負けるな。アニキがいたからお前がいたって言われないように、俺の力でやったんだという気持ちでやってくれ」「“なんくるないさ”(何とかなるさぁの意)じゃだめだぞ、自分がどうにかするんだ」と伊志嶺節もなめらかだった。
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Q.教え子から2人目のプロ選手ですね?
「子どもに恵まれたというだけ。彼らが来て、育ってくれた。僕らは何も指導力ないですから、やったとすれば餌付けくらいかな。力がなければプロには行けない。彼らの能力。だからここまで来られた。もちろん学校の先生や周りの皆さんの応援もあったから。とくに野球部父母会には彼はお世話になっているので、皆さんの期待と恩義を忘れずに厳しいプロの世界で頑張って欲しいと思う」(大嶺選手に向かって)「ただアニキには負けるな。アニキがいたからお前がいたって言われないように、俺の力でやったんだという気持ちでやってくれ」
Q.本人はバッティングで頑張りたいと言っているが
「内野でも外野でも使えると思うが、とりあえず内野で使うだろう。身体能力は皆さんが認めているし、ハートはこれまでやんちゃしてきただけの強さはあるので、あとは練習をいかに考えてやるか。プロで生き抜いていくのは心の持ち方一つ。同じレベルの人間が行くのだから、本人の気持ち、そしてみんなの気持ちを思いやるかだ。後は世の中の人たちが教えてくれることを謙虚に受け止めること」
Q.具体的にバッティングのどこが評価されたと思うか
「パワーもそうだが広角打法ができる所だろう。それよりそこそこ盗塁ができる足があり、守備もどこでもできるというセンスの良さを買われたんだと思う」
Q.2人が同じグラウンドに立つ日も近い?
「本人の努力次第が、3~4年のうちには実現してくれると思っている」
▽八商工・鈴木善一コーチ
「ここからスタート。いろんなものを吸収しながら、島の人やこれから出会う人たちに感謝しながら、地道に努力を続けてもらいたいと思う」
▽八商工・田中貴也主将(2年)
「ずっと一緒に野球をしてきた先輩なので自分たちにとっても誇らしい。自分の意志をしっかり持っている人で、どんなときもチームをまとめてくれた。尊敬できる先輩なので、見習って自分たちも目標に向かって頑張っていきたい」